「アタナに逢いたくて」

 

 ゴハンは菜食。コーヒーとかアルコール、甘いモノも一切我慢して迎かえた今日という日。
 メールを貰ってからの2週間、ずっとこの日を楽しみにしていたのよ。


「ハジメマシテ」
 そう普通にアイサツして
「やっぱり緊張しますね」
 そう笑って言った顔に、私のココロは一気にアナタに近づいていったの。

 誰かと歩く時の私のクセ。するりと廻した腕を恥ずかしそうにしながらも振り払わないでいてくれたことにもココロはどんどん浮き立って、私は現実の世界のアナタにも恋をした。


 恥ずかしくて誰にもいえなかった秘密の思い。子供っぽいその夢。
 匿名の、ネットの中でしか出せなかった、本当の私を受け止めてくれた人。目の前にいるこのヒト出会えたのはきっと運命。

 だから……

「ここで、いいかな?」
 そう誘われた時、素直に頷いたの。胸がときめいたわ。

 ドキドキしながら、部屋に入って、夢心地のままバスルームに誘ったの。アナタを信じていたから。長年の夢がかなうときがきたのね!って。天にも昇る気持ちだったのに……

「あー……。一緒にはお風呂に入りたいけど、えっと、そっちの方は、言ってみただけなんだよね」

 ──え?

 言われた言葉の意味が判らなくて、頭の中がクエスチョンマークだらけよ。

「あのね、エッチはしたいけど、スカには興味ないんだよね、俺」

 ──!! 
 そ、そんなぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!

 だって、だってだって、チャットでアナタがしたいっていってくれたのよ? 

「キミのうんこを感じたい」って。

 スカ初心者のアナタの為に、私は2週間もの間、ダイスキなたんぱく質を我慢して、便秘したりしないようにも気を付けて、初心者に優しい臭い少な目になるよう最新の注意を払って今日と言う日を迎えたというのに!!

 この、うんこは臭いからこそのうんこだと思っている、この私が!!

 アナタのひりたてホカホカうんこを素肌に感じてみたかったのに! 感じられると夢にまで見てきたのに!!

「ごめんね、だってキミとエッチしたかったんだもん」

にこやかに笑うその顔に、持っていたバッグを思い切りヒットさせた。

 バッグの中に入れていた、部屋に敷き詰めるつもりだった防水布や浣腸器や消臭剤やらが重石になって、凶器としてのバッグはかなりの威力を発揮した。
 アナタは壁に頭を強打して、いきなり白目を向いて黙ってしまったから、私は「ヒドイ、酷いよ」と泣きながら、アナタのジャケットからおサイフを抜き取り、夜の街へと走り出た。

 

 

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莫迦としか言いよう無いですよねw

ははは。